希少なハッカ産業
この先も日本一を続ける
滝上地区/瀬川ファーム
瀬川 博 さん
希少なハッカ産業
この先も日本一を続ける
滝上地区/瀬川ファーム
瀬川 博 さん
全国の9割を生産する、
滝上産のハッカ
私の農場就農から4代目になり、小麦等の他、特にハッカの生産に力を入れています。滝上は全国の9割の和ハッカを生産する日本一の和ハッカ産地ですが、町内7haあるハッカの作付けの内、私の農場で4haの作付けがあります。国内で生産される和ハッカの油は貴重で最近価格も上がってきています。生産には手作業が多く大変な苦労がありますが、初代から約90年、休まずに作り続けています。9月に一斉に刈り取られたハッカは、畑で乾燥させてから町内にある蒸留所で油を抽出され、全国に出荷されます。
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タイミングを見極める経験値
ハッカの生育には種が不要で、秋に浅く耕すことで春になると土の中から芽が出て、収穫の頃には腰の高さくらいにまで成長します。8月末には紫色の小さな花が咲き始めますが、和ハッカには「咲き始めたら刈れ」という昔からの教えがあり、9月には一斉に刈り取りを行います。この時期が最も油の含有量が多く、この時期を逃すと油の収量が落ちてしまう為、刈り取りの時期は慎重に見極める必要があります。
希少性の裏にある、
手作業とその重要性
和ハッカはマイナーな作物で、法令をクリアできる除草剤の登録がありません。経験上ハッカに与えても問題ないとわかっている農薬であっても使うことができないため、雑草取りが重要な作業になります。手作業で進める雑草とりは、春から収穫まで毎日続き、妻とアルバイト1人の少人数で、収穫までの間4haにもわたる広大な畑を約8周します。手作業での草取りは本当に大変で辞めようかとも思うこともありましたが、思い入れを持っていた父と、取り扱ってくれている販売先の事を考えるとやめるわけにはいきません。
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買い手の思いもこもった生産
私たちの農園では2つの品種を育てています。1つは「ほくと」という品種で、油が多く取れ、最近では大手コンビニエンスストアのアイスや飲み物にも使われています。もう1種類は滝上町で改良され、他の地域では作られていない「JM-23号」という品種です。洋酒のような甘くてとても良い香りがするんです。虫除けスプレーや化粧品、漢方薬などに使われています。私たちが育てたハッカがそうした製品になり、消費者の方達の元に届くまでには多くの協力があります。
収穫まで育てるのが大変な和ハッカですが、さらに大変な作業が収穫作業です。秋蒔き小麦の作業もたて込むこの時期の作業は本当に大変で、一ヶ月60日でも足りません。このような中、数年前から、状況を聞いた取引先のメーカーさんが毎年収穫時期に社員さんを送り込んでくれるようになりました。都会で営業をしていて、生まれて一回も畑に触れたこともない人たちが、ハッカ油がなければ製品づくりも成り立たない、絶対に必要、ということで、雨の日も休まず雨具を着て一生懸命手伝ってくれるのです。大変な時期の人手は本当に助かります。
これからへの想い
近年のハッカ需要の高まりによって買取価格も上がっていることから非常に優秀な作物です。しかし手作業が多くて非常に栽培が大変なハッカは、どれほど需要があってもこれ以上畑を増やせるものではありません。この需要が高まっているチャンスを生かして積極的に畑を増やせないもどかしさを感じる時もあります。さらに地域の生産者の高齢化も進み、後継も少ないハッカ生産で、私自身これからもハッカを作り続けたいですが、大変な作業を高齢になってから何年も続けられるとは限りません。家族でなくてもやりたい人がいるのなら後継者として譲り、滝上町の日本一をこれからも守っていけたらと思います。
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全国の9割を生産する、
滝上産のハッカ
私の農場就農から4代目になり、小麦等の他、特にハッカの生産に力を入れています。滝上は全国の9割の和ハッカを生産する日本一の和ハッカ産地ですが、町内7haあるハッカの作付けの内、私の農場で4haの作付けがあります。国内で生産される和ハッカの油は貴重で最近価格も上がってきています。生産には手作業が多く大変な苦労がありますが、初代から約90年、休まずに作り続けています。9月に一斉に刈り取られたハッカは、畑で乾燥させてから町内にある蒸留所で油を抽出され、全国に出荷されます。
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タイミングを見極める
経験値
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ハッカの生育には種が不要で、秋に浅く耕すことで春になると土の中から芽が出て、収穫の頃には腰の高さくらいにまで成長します。8月末には紫色の小さな花が咲き始めますが、和ハッカには「咲き始めたら刈れ」という昔からの教えがあり、9月には一斉に刈り取りを行います。この時期が最も油の含有量が多く、この時期を逃すと油の収量が落ちてしまう為、刈り取りの時期は慎重に見極める必要があります。
希少性の裏にある、
手作業とその重要性
和ハッカはマイナーな作物で、法令をクリアできる除草剤の登録がありません。経験上ハッカに与えても問題ないとわかっている農薬であっても使うことができないため、雑草取りが重要な作業になります。手作業で進める雑草とりは、春から収穫まで毎日続き、妻とアルバイト1人の少人数で、収穫までの間4haにもわたる広大な畑を約8周します。手作業での草取りは本当に大変で辞めようかとも思うこともありましたが、思い入れを持っていた父と、取り扱ってくれている販売先の事を考えるとやめるわけにはいきません。
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買い手の思いもこもった
生産
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私たちの農園では2つの品種を育てています。1つは「ほくと」という品種で、油が多く取れ、最近では大手コンビニエンスストアのアイスや飲み物にも使われています。もう1種類は滝上町で改良され、他の地域では作られていない「JM-23号」という品種です。洋酒のような甘くてとても良い香りがするんです。虫除けスプレーや化粧品、漢方薬などに使われています。私たちが育てたハッカがそうした製品になり、消費者の方達の元に届くまでには多くの協力があります。
収穫まで育てるのが大変な和ハッカですが、さらに大変な作業が収穫作業です。秋蒔き小麦の作業もたて込むこの時期の作業は本当に大変で、一ヶ月60日でも足りません。このような中、数年前から、状況を聞いた取引先のメーカーさんが毎年収穫時期に社員さんを送り込んでくれるようになりました。都会で営業をしていて、生まれて一回も畑に触れたこともない人たちが、ハッカ油がなければ製品づくりも成り立たない、絶対に必要、ということで、雨の日も休まず雨具を着て一生懸命手伝ってくれるのです。大変な時期の人手は本当に助かります。
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これからへの想い
近年のハッカ需要の高まりによって買取価格も上がっていることから非常に優秀な作物です。しかし手作業が多くて非常に栽培が大変なハッカは、どれほど需要があってもこれ以上畑を増やせるものではありません。この需要が高まっているチャンスを生かして積極的に畑を増やせないもどかしさを感じる時もあります。さらに地域の生産者の高齢化も進み、後継も少ないハッカ生産で、私自身これからもハッカを作り続けたいですが、大変な作業を高齢になってから何年も続けられるとは限りません。家族でなくてもやりたい人がいるのなら後継者として譲り、滝上町の日本一をこれからも守っていけたらと思います。
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