先を見据えた取組
家族のために

上渚滑地区/株式会社岩田

岩田 博教 さん

先を見据えた取組
家族のために

上渚滑地区/株式会社岩田

岩田 博教 さん

チャレンジのきっかけ

もともと、つなぎ牛舎で100頭規模の酪農経営をしていたのですが、現場作業は苦労も多く従業員もなかなか定着しない状況でした。悩んでいた時期に友人から搾乳ロボットの話を聞き、状況を変えることができるのではないかと可能性を感じて視察に行き、数ヶ月後には導入を決意しました。当時の年齢は30代、まだまだこれからの時期でしたが、よりゆとりのある環境で省力化を図り、家族との時間も大切にしたいという思いもありました。決して小さくない額の投資であり、当時は現在のような補助事業も無かったため自己資金での投資に踏み切りましたが、搾乳ロボットの導入後は環境も一変し、従業員の定着だけでなく家族との時間もとれるようになりました。

ICTを活用した、新しい酪農経営

ロボットの導入後、ICTを活用したさらなる経営の合理化を進めていきました。以前は牛の状態を目で直接見て、健康状態や発情時期など細かく管理していましたが、今は個体別のセンサーによって牛の活動量が把握でき、データを読み取ることで牛の状態をリアルタイムで、かつ俯瞰的に把握することができます。直接自分の目で見なくても、正確に状況を把握できることは経営にとっては非常に大きな合理化です。搾乳ロボットの導入と、ストレスのない飼育環境を整備することができたことで搾乳量は2割程増加し、病気の発生率も2割程低減することができました。今回の規模拡大を機に、今では敷地内ほぼ全ての牛の状態をデータから把握できるようになっています。また、外部雇用に頼らなくても自立した経営ができるようにつなぎ牛舎を廃止し、農場の現場作業も効率化しました。10年前に踏み切ったチャレンジが、現在の合理的でゆとりのある経営環境に結びついており、今は技能実習生4人を雇用し飼養頭数が480頭となり、事業のスケールアップを進めることができました。

循環型の酪農にも

以前は、牛舎での排泄物はそのままスラリーとして散布していたのですが、現在はより環境に配慮した糞尿処理として固液分離したうえで、さらに24時間回転するドラム内で急速発酵させ、雑菌や雑草の種子を死滅させた衛生的な処理方法を取り入れています。このシステムは地域内で組合長が既に導入していたものであり、環境に負荷を掛けずに排泄物を活用できるだけでなく、固形分は寝床で使用する敷料として再利用できるため、オガクズを購入するためのコスト削減やリスクヘッジができるようになりました。畑への負荷も軽減できることで、糞尿の扱いもだいぶ楽になっています。今後も環境にも配慮しながら衛生的で合理的な循環型酪農を進めていきたいと考えています。

世代を超えた
さらなるチャレンジ

初めてロボットを導入した時期は新しい設備の活用だけでなく、もともとの仕事でもある牧草の収穫作業などもあり牛舎に寝泊まりするほど忙しく大変な経験をしましたが、地域の中で先駆的な取り組みをして失敗したら後が続かなくなってしまう、そんな使命感もあり何とか乗り越えることができました。
43歳になった時に、さらに大規模な投資を決意しました。その時点で一定の経営基盤もあり、そのまま安定した経営を継続することもできたのかもしれませんが、息子が酪農を継ぎたいという思いを持ってくれたことがきっかけで、さらに良い経営環境で引き継ぎたいという私の思いも強くなり、新たなチャレンジに踏み切りました。
今回の投資は2度目の挑戦ということもあり以前の経験や先進地への視察などを通じて自分の構想ができていたため納得のいく施設になっています。国の補助事業を活用するために農協や市にも協力を頂きましたが、農協職員とは日頃から色々な話をしているため自分の想いを理解してくれておりスムーズにイメージが形になりました。

これからへの想い

今後は、息子世代への事業承継や、自分のリタイアに向けたプランももちろん大事ですが、地域全体で次の世代により良い生産基盤を残していきたいという思いがあります。今の若い世代は、自分たちの帰ってきた頃とは違い規模も大きくなっており経営のスタイルも大きく変わっているので、全ての作業を自己完結できないことも多いはずです。粗飼料収穫作業や圃場管理作業、子牛育成など地域全体で外部委託化のシステムを作ることや、仕組みを共有できる環境づくりが進めば、より多くの若い人にとって酪農が持続可能なものになっていくのではないかと考えています。地域全体で次の世代を守っていけるよう、さらにチャレンジしていきます。

チャレンジのきっかけ

もともと、つなぎ牛舎で100頭規模の酪農経営をしていたのですが、現場作業は苦労も多く従業員もなかなか定着しない状況でした。悩んでいた時期に友人から搾乳ロボットの話を聞き、状況を変えることができるのではないかと可能性を感じて視察に行き、数ヶ月後には導入を決意しました。当時の年齢は30代、まだまだこれからの時期でしたが、よりゆとりのある環境で省力化を図り、家族との時間も大切にしたいという思いもありました。決して小さくない額の投資であり、当時は現在のような補助事業も無かったため自己資金での投資に踏み切りましたが、搾乳ロボットの導入後は環境も一変し、従業員の定着だけでなく家族との時間もとれるようになりました。

ICTを活用した、
新しい酪農経営

ロボットの導入後、ICTを活用したさらなる経営の合理化を進めていきました。以前は牛の状態を目で直接見て、健康状態や発情時期など細かく管理していましたが、今は個体別のセンサーによって牛の活動量が把握でき、データを読み取ることで牛の状態をリアルタイムで、かつ俯瞰的に把握することができます。直接自分の目で見なくても、正確に状況を把握できることは経営にとっては非常に大きな合理化です。搾乳ロボットの導入と、ストレスのない飼育環境を整備することができたことで搾乳量は2割程増加し、病気の発生率も2割程低減することができました。今回の規模拡大を機に、今では敷地内ほぼ全ての牛の状態をデータから把握できるようになっています。また、外部雇用に頼らなくても自立した経営ができるようにつなぎ牛舎を廃止し、農場の現場作業も効率化しました。10年前に踏み切ったチャレンジが、現在の合理的でゆとりのある経営環境に結びついており、今は技能実習生4人を雇用し飼養頭数が480頭となり、事業のスケールアップを進めることができました。

循環型の酪農にも

以前は、牛舎での排泄物はそのままスラリーとして散布していたのですが、現在はより環境に配慮した糞尿処理として固液分離したうえで、さらに24時間回転するドラム内で急速発酵させ、雑菌や雑草の種子を死滅させた衛生的な処理方法を取り入れています。このシステムは地域内で組合長が既に導入していたものであり、環境に負荷を掛けずに排泄物を活用できるだけでなく、固形分は寝床で使用する敷料として再利用できるため、オガクズを購入するためのコスト削減やリスクヘッジができるようになりました。畑への負荷も軽減できることで、糞尿の扱いもだいぶ楽になっています。今後も環境にも配慮しながら衛生的で合理的な循環型酪農を進めていきたいと考えています。

世代を超えた
さらなるチャレンジ

初めてロボットを導入した時期は新しい設備の活用だけでなく、もともとの仕事でもある牧草の収穫作業などもあり牛舎に寝泊まりするほど忙しく大変な経験をしましたが、地域の中で先駆的な取り組みをして失敗したら後が続かなくなってしまう、そんな使命感もあり何とか乗り越えることができました。
43歳になった時に、さらに大規模な投資を決意しました。その時点で一定の経営基盤もあり、そのまま安定した経営を継続することもできたのかもしれませんが、息子が酪農を継ぎたいという思いを持ってくれたことがきっかけで、さらに良い経営環境で引き継ぎたいという私の思いも強くなり、新たなチャレンジに踏み切りました。
今回の投資は2度目の挑戦ということもあり以前の経験や先進地への視察などを通じて自分の構想ができていたため納得のいく施設になっています。国の補助事業を活用するために農協や市にも協力を頂きましたが、農協職員とは日頃から色々な話をしているため自分の想いを理解してくれておりスムーズにイメージが形になりました。

これからへの想い

今後は、息子世代への事業承継や、自分のリタイアに向けたプランももちろん大事ですが、地域全体で次の世代により良い生産基盤を残していきたいという思いがあります。今の若い世代は、自分たちの帰ってきた頃とは違い規模も大きくなっており経営のスタイルも大きく変わっているので、全ての作業を自己完結できないことも多いはずです。粗飼料収穫作業や圃場管理作業、子牛育成など地域全体で外部委託化のシステムを作ることや、仕組みを共有できる環境づくりが進めば、より多くの若い人にとって酪農が持続可能なものになっていくのではないかと考えています。地域全体で次の世代を守っていけるよう、さらにチャレンジしていきます。

変化していく酪農業
未来に向けて

上渚滑地区/株式会社えみんぐ

上渚滑地区
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田村 登志​文 さん

変化に適応し
酪農の未来を守る

上渚滑地区/株式会社中島牧場

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中島 智 さん

地域でつくるブランド牛
品質を支える工夫

紋別地区/株式会社山本牧場

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山本 日出男 さん

希少なハッカ産業
この先も日本一を続ける

滝上地区/瀬川ファーム

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瀬川 博 さん